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2017年05月02日

第133回 「長間自治会公民館建設記念碑」

第133回 「長間自治会公民館建設記念碑」

今回の石碑は2016年10月に、改築されて新しくなったことを記念した、石碑としても新しい記念碑です。
改築されたのは「長間自治会公民館」で、堂々と長間を名乗っていますが、こちらの建物は位置づけとしては長中の字公民館ということになります。というのも、長間は長北(ながきた)、長中(ながちゅう)、長南(ながなん)と、大きく分けて三区(なぜか音読みと訓読みが混ざっている不思議)に分かれており、長北と長南にもそれぞれの字公民館があるからです(しかも、この長間自治会公民館の前にあるバス停は、しっかり長中公民館となっています)。
第133回 「長間自治会公民館建設記念碑」
第133回 「長間自治会公民館建設記念碑」ほぼ集落の中心に位置した公民館で、新聞記事にもあるように、1969年に建設された旧公民館の裏手の広場だったところに新しい公民館は建設されました。
すでに古い公民館は取り壊され、跡形もありませんが、梯梧が囲むその敷地は駐車場として活用されています。かつて訪れた時の公民館は古いものの清掃が行き届いた小奇麗な雰囲気がありました。
また、広場の片隅にはコンクリート製の滑り台もあったのですが、遊具で遊ぶものの姿がなくなってしまったからなのか、老朽化と改築を理由に撤去されてしまったようです(跡地はグランドゴルフ場として再整備され、遊ぶものの年齢が変化したことを静かに物語っていました)。

自治会の活動拠点へ/長間公民館落成式典・祝賀会 (2016年10月30日 宮古毎日新聞)

新しい公民館の脇に建つ、建設記念碑の裏面には旧公民館の様子と、字を題材とした歌の歌詞が3つほど書かれていましたので紹介しておきます。 ※一部、読み仮名をカッコ書きにしました。
長間中区青年団歌
一、東雲(しののめ)清く昇る日の 勢い見せて日に月に
  栄ゆく長間の中区こそ 我等健児の住処(すみか)なれ

二、中天高くそびえ立つ 鎮守森の老松は
  理想の高きを示すなり 磨け智の玉、徳の玉

三、無尽の富を蔵したる 東シナ海西にあり
  安逸遊蕩(あんいつゆうとう)諫(いさ)めつつ 鍛えし吾人の四肢の金

四、艱難辛苦(かんなんしんく)も何のその 
  質実剛健(しつじつごうけん)旨として
  我等の若き力にて いざや起さん我が中区

五、行く手は遥かたてよとも 竜巻怒濤(たつまきどとう)は起こるとも
  不屈不撓でいざ進め
  我等長中青年団 我等長中青年団
まずは、長中の青年団歌です。
以前、上野の高田青年団歌を紹介したことがありましたが、若い血潮が漲(みなぎ)っている感がとても出ていますね。
尚、四番「安逸遊蕩」は「なにもせずぶらぶらと遊び呆ける」という意味のようです。イマドキの厨ニ力(ちゅうにちから)ならば、「安逸遊蕩」と書いて「ニート」とかルビをふりそうです。
千歳秋
一、千歳秋の水清く 鍛え上げたるこの体
  示さん時は、今日の日ぞ
  来たれ諸人いざ来たれ
  見事に破って我見せん

二、我ら鍛えし選手らは 百に、二百に、千五百
  巾に高跳びマラソンも
  八百リレー四百も
  雄大無双の我が選手
  中区の光り輝かせ

三、朝日に閃(ひらめ)く優勝旗 我等[我ら]選手の物なるぞ
  勝利に笑む喜びは
  優勝の太鼓、音高く
  打てや打て打て我が選手
  中区の光輝かせ 中区の光輝かせ
続いては、郡民体育大会的なものへ出場する、選手だちを鼓舞する応援歌のような歌です。
ですが、ちょっと困ったことにこの歌詞のタイトルの「千歳秋」が読めません(学がないのが露呈している)。
「ちとせあき?」なのか、「せんざいしゅう?」なのか。それとも「ちさいしゅう?」「せんとしあき?」。意味検索からの推測では、「千歳」と「秋」を合体させた造語で、長い秋のような意味なのではないか(千歳~“ちとせ”も“せんざい”も、長い年月という意味なので)思われますが、漢詩の一部とか、格言といった正しいネタ元があるのではないかとふんでいます。どなたか正解を教えてくださいませ(検索しても検索汚染されているので艦こればかりが出て来ます)
※三番の最初の「我等」はこの歌の前後を考えると「我ら」とひらがな書きのミスだろうと推察します。
眠れる獅子
一、丈に立ちたる選手
  眠れる獅子の立つごとく
  燃える一声物凄や
  ああ秋天を揺るがして

二、見よ剣述[剣術?]其の獅子は
  敵を強きと退かず
  弱気敵とて侮らず
  勝利は鳴る鳴る肉躍る

三、右手にかざす優勝旗
  手に手に握る鍬(くわ)と箆(へら)
  人のあんたる鐘になり
  舞えや歌えやこの誇り
三作目はこれまでよりも一層、雄々しい感じの歌詞であると感じます。ちょっと面白いと思ったのは三番の歌詞で、優勝旗を右手でかざしつつも、鍬と箆を手に取ってしまいます。なんか一歩間違えたら共産圏っぽいイメージも湧いてきそうです。
※二番の「剣述」は「剣術」の誤字ではないかと推察しました。

果たしてこの歌は誰が作詞したものなのでしょうか。メロディはどんなものだったのでしょうか。字の公民館は地域の中心地であり、こうした小さな歴史がいっばい詰まっているので、ついつい通りかかったりすると何か面白いものはないだろうかと眺めてしまいます。

第133回 「長間自治会公民館建設記念碑」そんな長中公民館の片隅にあるのがこちら…。

おそらく米軍が投下していった、250キロ爆弾(米国はポンドヤード法なので、正確には500ポンド爆弾≒約225キロ)ではないかと思われます(使用例が多く、大きさ的にもほぼ合致する点からの推測)。
これ。確かにホンモノではありますが、安心してください。
どういうわけか、すでに中は空洞になっていてなにも入っていません。

最後に軽くネタを披露させていただきましたが、次週もふたたび長中であると予告しておきます。
来週は公民館の向かいにあるものをフューチャーしてみたいと思います。
それではお楽しみに~!

【関連石碑】
第26回 「高田青年団歌」
第76回 「新宮古建設の歌」

【関連記事】
「島AP×島AP 長間中集落」 (あんちーかんちー 2008年)




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