2018年11月30日
金曜特集 「サトジュンの灯台お遍路旅2」

今日は11月第5金曜日。ゲストライターさんに登場いただく、スペシャルウィークです。今回は先日、「サトジュンのお遍路灯台お遍路旅」として華々しくATALASにデビューした、灯台マニア・サトジュンさん@お遍路派のまさかの2回目!。
今回、サトジュンが語る灯台ネタは、待ちに待ってた出番が来たぜ~吾らが平安名埼灯台です。それではどーぞー!。
※ ※ ※ ※ ※
『サトジュンの灯台旅』 (平安名埼灯台@沖縄県宮古島市)
灯台ファンで、自称・お遍路派(巡礼だけでウンチク知らず)の私が、灯台マニアの視点から憧れの平安名埼灯台のご紹介を。

沖縄に縁の無かった私が、宮古島に行くきっかけとなったのは宮古島に住む友人が放った、
「池間大橋を渡ったら、美しさに感動して軽く死ねるよ」のひと言。
伊良部大橋の開通イベントに合わせての来島だったので、翌日は伊良部島へ渡る最終日のフェリーにもちゃっかり乗船出来たし、衝撃の飲み物ピンクい「げんまい」なるものをいただき、佐良浜漁港も堪能。
灯台とはあまり関係無いけれど、初めての沖縄・宮古島にかなり興奮。
初めての宮古島は時期的にも生憎の雨模様だったけど、多分灯台に着いた時には雨が上がっていたと思う。
灯台を目指し、その灯台が見えてきた瞬間が何よりも興奮を覚えるのだけれど、平安名埼灯台も見えた瞬間に心が躍り始めた。
岬に入る前手前の道から見えてくる、小さく見える白い灯台。 ドラマチックだ。

【左 1967(昭和42)年の初点のプレート】 【右 入口に掲げられている、1983(昭和53)年の改修時のプレート】
灯塔は観音埼灯台と同じく八角柱。
六角柱や八角柱は大正に建てられた灯台に多いらしいが、この灯台は昭和に建てられた。
1976(昭和42)年の初点当初は、琉球政府の管理する「東平安名埼灯台」だったが、本土復帰時に海上保安庁に引き継がれ、「平安名埼灯台」へと改名された、沖縄ならではの歴史ある灯台。
(詳しくは、「んなま to んきゃーん」第33回「灯台の碑」を参照されたい)
琉球政府の名残は、灯台に入って直ぐ右側の壁にある記念銘板(初点プレート)から察することが出来る。「東」の黒い色が消されているのだ。
平安名埼灯台の魅力は、青い海とのコントラストと、南の果てを彷彿させるダイナミックな景色。上がれば下の岩礁がよく見え、岬の入口の高台から見ても美しい岬の先に佇む灯台が最高に絵になる。よく晴れた日の限定だが、マニア的には灯台のシルエットも要チェックだろう。
【左 白レンズ(燈室中から)】【中 赤レンズ(バルコニーより)】 【右 レンズの真下】
灯台内部は他の灯台と同じく螺旋階段になっている。 古い灯台の場合はその灯台の中心に「分銅筒」と呼ばれる空洞の柱がある。
これには、かつてはレンズを回すための巻き上げ装置に繋がる重り(分銅)が入っていた。
昭和42年から点灯開始となると初めから電化されていたのか、分銅筒はなく、レンズ下の空間が広くなっている。
巻き上げ装置については、千葉の犬吠埼灯台の資料館に展示されているものがあるので機会があれば見ていただきたい。
レンズは下から覗くことになるが、見やすい位置にある。設置されているレンズは、フレネルレンズではなくサーチライト的なLU-M型。
残波岬灯台や和歌山の友ヶ島灯台と同じ灯器で、これはこれで迫力がある。
現在の灯台はどこも光を感知するセンサーが設置されていて、陽が落ちると点灯を開始、陽が昇ると眠りにつくのだけど、宮古島は日の出が本州より遅いため、ちょっと早く起きれば20秒ごとに赤と白が交互に光る灯台と一緒に、ご来光を拝むことも出来る。
霧や湿度がある夜は、真っ直ぐに光芒が伸びているのが見えて益々カッコ良い。
もちろん夕陽で白い灯塔が染まる姿もロマンチックであることは言うまでも無い。

【左 城辺郵便局の風景印】 【中 灯台脇の三角点】 【右 城辺地区の農漁業集落排水マンホール】
また灯台から降りた後も、灯台ファンとしては色々と忙しい。
灯台周辺の地区においては、城辺郵便局の平安名埼灯台の風景印や、灯台がデザインされたマンホール蓋などもある(Google Street View)。
この灯台で、わたし的に気になるのは、バルコニーを支えている補強なのか、バルコニーすぐ下のあたり、灯台内側の縦に長い白い物体が幾つかある。これが一体何なのか?(単なる補強か?)
それと入口の上、現初点プレート上の塗りつぶした跡。
昔の、入り口の内側にあるプレートが元々あった場所なのか?。
お遍路派なので、敢えて謎は解明しないけど。

ちなみに訪問直後、今年の初めに改修工事を行っているため、灯台からの眺望が変わっている模様。灯台内部も改装が入ると聞いたので、もしかしたらプレートの位置が変わっているかもしれない。
それでは何処かの灯台でお会いしましょう。
『参観灯台への心がまえ』「サトジュンの灯台お遍路旅」
一、灯台内にトイレやエレベーターはなし。
事前にきっちり用は済ませ、階段を登る体力を温存しておきましょう。
一、小銭で200円を用意しておくべし。
参観灯台は寄付金で成り立っています。釣銭のいらぬよう努めましょう。
一、記念スタンプも楽しむべし。
スタンプ蒐集家でなくとも、訪問の記念になるのでスタンプは押しましょう。
観音埼灯台@神奈川県横須賀市(2018年10月30日)
サトジュン
神奈川県横浜市在住。
全国津々浦々の灯台を目指す、灯台ファンとしては自称・お遍路派。
キッカケはバイクツーリングで偶然出逢った、石廊埼灯台(静岡県)の一般公開。
初宮古島は2015年の伊良部大橋の開通の日。
以来、毎年、お天気に恵まれない1月に来島。
Posted by atalas at 12:00│Comments(0)
│金曜特集 特別編