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2019年04月26日

金曜特集 「サトジュンの灯台お遍路旅3」

金曜特集 「サトジュンの灯台お遍路旅3」

昨年、11月ぶりに帰ってきました、灯台マニア・サトジュンさん@お遍路派。満を持しての3回目の登板です。今回、サトジュンが語る灯台ネタは、本州の西のはずれ、山口県にある角島灯台です。海士ヶ瀬戸で隔てられた角島は、2000年に架橋され、CMなどにもとりあげられたことから、今では大人気のドライブコース。そんな角島にある素敵な灯台が今回の主役です。それではどーぞー!。

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『サトジュンの灯台お遍路旅』 (角島灯台@山口県下関市)

こんにちは。
三度の飯より灯台大好きの“サトジュン”です。

灯台ファンで、自称・お遍路派(数多ある灯台をひたすらに巡礼し続ける趣味)として、西へ東へ南へ北へと、国内の灯台を訪ね歩いているだけの私が、灯台好きの勝手な観点から、今回は山口県の灯台・角島灯台をご紹介したいと思います。
金曜特集 「サトジュンの灯台お遍路旅3」
本州の西端にあり、山口県のガイドブックでは必ずといっていいほど目にする、青い海に伸びる角島大橋でとっても有名な角島。
そしてそこにある第一等灯台が角島灯台です。

3度目になる今回の訪問は、大阪港からフェリーで瀬戸内を通り、福岡県北九州市の新門司港に午前6時頃に到着しました。
新門司港に上陸後、すぐにお隣の山口県へは向かわず、肩慣らしとばかりに、まずは150キロ南東にある大分県の関埼灯台へ立ち寄ってきました。
そこから230キロ、一気に北上して、山口県の角島へ向かうという超~強引な旅程だったりします(いつものこと)。

2018年7月に中国・四国地方を襲った集中豪雨は、九州北部にも影響を及ぼし、九州自動車道の一部区間が不通となっていたりと、少々時間がかかりながらも、15時頃には関門海峡を渡って山口県へ入ることが出来ました。 
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【左 毘沙の鼻にいる、妖しい犬のオブシェ】 【右 たどり着けなかった特牛灯台の入口】

さらに角島へ向かって北上中。前々から行きたかった、本州最西端の「毘沙の鼻(びしゃのはな)」と、明治45年初点灯の「特牛(こっとい)灯台」の2か所にも寄り道します。

本州最西端は、人間のような歯をむき出しにした犬のオブジェに若干恐怖を感じたけれど、この場所を独り占め出来たことに大満足。
次に、特牛(こっとい)灯台。
予想通り、入り口がジャングルと化し、全力で私を拒否しているようだったので、ここはアッサリ諦めました。
今度来る時は冬にしよう。ヤブと化してる可能性のある灯台を訪れるには冬が一番良い。虫もいないし(笑)。
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【角島大橋 2000年11月3日開通、全長 1,780メートル 山口県道276号角島神田線】

17時過ぎ、角島灯台へと到着。
既に参観は終了していたので、夕陽に照らされる灯台を眺めながら点灯を待つことにする。

角島灯台は、日本では珍しい男木島灯台(香川県)とここだけの、白く塗られていない無塗装の灯台なのです。
また、第一等レンズと呼ばれる大きなレンズを有した、日本に5基しかない第一等灯台の1基なのです。
灯台の外壁は、山口市秋穂産(と言われる)花崗岩(御影石)、内壁はレンガ造りの二重構造で、このレンガは三重県の菅島灯台のレンガと同じ瓦職人(竹内仙太郎)によって焼き上げられている。
嗚呼、なんて贅沢なんだろう。。。
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【左 角島灯台 第一等レンズ】 【右 角島灯台と照射灯】

1876年3月1日初点灯。
R.H.ブラントン設計の日本での最後の仕事となった灯台。

R.H.ブラントンはスコットランド人で、1868年に来日。日本の「灯台の父」と呼ばれ、国内の26基の灯台の建設に関わりました。
建て替えられてしまったものもありますが、前述の菅島灯台も然り、当時のままの姿で19基程が現在も稼働中です(数、合ってるかな・・・)。
その中でも角島灯台はロケーションはもちろん、玻璃板(はりはん)というガラスサッシ部分と中のレンズとのバランス、立ち姿も上品で華やか、
全てが美しいのです。
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【角島灯台の光芒 下の光は照射灯】

そして見どころはやはり陽が落ちてからの夜間の点灯。
今回初めて、この灯台の点灯を見ることが叶ったのだけれど、8面の第一等レンズから発する灯光は、想像していた以上に凄かった。 
頭上を次から次へと通り過ぎていく強い光芒に、ひたすら心奪われ圧倒される。
周りにいる鬱陶しいカップルどもなど気にならないくらい、ブラントンの末娘の美しい夜の立ち姿、彼女の放つ光芒にウットリなのです。

灯台の足元にある小屋は、クヅ瀬照射灯といい、沖の岩場を力強く真っ直ぐに照らしている。
この照射灯が照らしている岩場は、開国前、北前船が活躍していたころに海難事故が相次いだ場所だ、と近所のお年寄りが言っていた。 
岩場に近い浜には、ハマユウに囲まれた鳥居が岩場の方に向いて建てられていた。
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【左 照射灯が照らす、沖合いにある岩礁、国石(くんぜ)】 【右 龍神社の鳥居。沖の岩礁を向かって建つ】

翌朝、参観開始の時刻に再び来灯。
灯台内部、螺旋階段の壁は板張りになってはいるが、窓部分を見ると壁がとても厚く、二重構造を納得させる。
螺旋の石階段のステップは、年月を感じさせるくらいの擦り減りが見えて、その天井は滑らかな石地の具合が美しい。
石の階段を昇り切ると、レンズのある灯室へ続く鉄製の階段が出てくる。
残念ながらレンズはさらに上にあり、アクリル板で遮られてハッキリと見ることは出来ない。(どこもそうだけど、このアクリル板どうにかならないかなぁ)
身長165cmの私で、灯室外のバルコニーからカメラの手を伸ばせばギリギリ何とか写真には納まる感じ。
灯台ファン視点なので、灯台からの眺めについては割愛。 参観灯台はどこも絶景が拝めること間違いないのだから(笑)。
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【左 灯台の階段。すり減り具合が歴史を感じさせる】 【右 階段の天井。螺旋の造形美がたまりません】

そうそう、灯台下の資料館も忘れないで欲しいです。
灯台の退息所(官舎)を資料館として内部を展示。この灯台の出来るまでや、当時の外国人灯台長の生活の様子を紹介しています。
航海の安全だけを願い、トラックやクレーンなどの重機の無い時代に、この場所まで石を運び、灯台を建てた先人達の知恵と情熱と苦労。
灯台にはこうした人々の心と温もりを感じるから夢中になれるのだと思う。

次回は灯台近くのキャンプ場で、焚火をしながらビールを片手に、星空と灯台のコラボレーションを楽しんでみたいなぁ。
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【左 灯室へと上がる階段】 【右 バルコニーから撮影した第一等レンズ】

ここから少々、脱線。角島から日本海側に沿って北東へ行くと、青い海をバックに赤い鳥居が並んだ、近年人気のスポット、「元乃隅稲成神社」もあり、北長門はドライブコースとしてはなかなに最高です。ちなみにこの神社がある半島の名前は、「向津具(むかつく)半島」といったりします。。。
ともあれ、灯台も、神社も、心を落ち着かせて訪れましょう。
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【元乃隅稲成神社(もとのすみじんじゃ)】

それではまた、何処かの灯台でお逢いしましょう!

『参観灯台への心がまえ』
一、灯台内にトイレやエレベーターはなし。
  事前にきっちり用は済ませ、階段を登る体力を温存しておきましょう。
一、小銭で200円を用意しておくべし。
  参観灯台は200円の寄付で成り立っています。釣銭のいらぬよう努めましょう。
一、記念スタンプも楽しむべし。
  スタンプ蒐集家でなくとも、訪問の記念になるのでスタンプは押しましょう。
  最近は参観灯台用のスタンプ帳(150円)も置いてあります。


【サトジュンの灯台お遍路旅】
観音埼灯台@神奈川県横須賀市 
平安名埼灯台@沖縄県宮古島市



金曜特集 「サトジュンの灯台お遍路旅3」サトジュン
神奈川県横浜市在住。
全国津々浦々の灯台を目指す、灯台ファンとしては自称・お遍路派。
キッカケはバイクツーリングで偶然出逢った、石廊埼灯台(静岡県)の一般公開。
初宮古島は2015年の伊良部大橋の開通の日。
以来、毎年、お天気に恵まれない1月に来島。



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