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2015年08月18日

第44回 「水辺のユニバーサル・デザイン大賞2005」

第44回 「水辺のユニバーサル・デザイン大賞2005」

先週に引き続き「水」ネタです。
平良港の西端に位置する通称・トゥリバー。公式名は「宮古島コースタルリゾートヒララ・トゥリバー地区」というとても長い名称の埋め立て地で、マリーナやふたつの人工ビーチ(エレガンスビーチとアクティブビーチ)と都市型公園、そしてリゾートホテル予定地で構成されている、国土交通省と宮古島市が事業主体となって整備を推進しているリゾート開発地区になります。
しかし、未だリゾートホテルは建設されず、空き地のまま二転三転の紆余曲折で迷走をしているトゥリバーですが、入口にかかる美南海(みなみ)橋のたもとに、ひっそりとたたずむ碑あがあります。それが今回紹介する「水辺のユニバーサル・デザイン大賞2005」の碑です。
第44回 「水辺のユニバーサル・デザイン大賞2005」
この「水辺のユニバーサル・デザイン大賞」というのは、特定非営利活動法人ユニバーサル社会工学研究会が主催し、特別協力に日本デザイン機構、協賛に交通エコロジー・モビリテイ財団、後援には、国土交通省港湾局都市環境デザイン会議、(財)港湾空間高度化環境研究センターなど、デザイン関連の団体の名前が並んでいる親水景観の自薦コンペです(2003年時の応募要綱pdf)。

2005年にトゥリバーが大賞に選ばれた理由は、既存の海岸を残して埋立地との間に水路を作って環境に配慮し、ビーチやマリーナなどを整備したこが高く評価されたからということらしいです(ただし、この頃すでにホテル用地に関する問題は紛糾しており、現在も建設の再々延期など物議を醸し、未だに完成を見ていません)。

第44回 「水辺のユニバーサル・デザイン大賞2005」石碑に埋め込まれたプレートをよくよく見てみると、受賞者は「宮古島市役所」殿と、「内閣府沖縄総合事務局平良港湾事務所」殿になってます。
トゥリバーの事業主体は国土交通省と宮古島市で、賞の後援には国土交通省港湾局都市環境デザイン会議。そして受賞者は宮古島市と沖縄の港湾担当部署である、内閣府沖縄総合事務局平良港湾事務所という、ちょっと突っ込みをいれたくなるような関係性がする気もありますが、ここではこれ以上の詮索はやめておきます。
余談ですが、平良港湾事務所のHPでは「水辺のユニバーサル・デザイン」と同じ年に、なぜかトゥリバー地区が「土木学会環境賞」を受賞したことだけが記録されています。

第44回 「水辺のユニバーサル・デザイン大賞2005」ところで、「水辺のユニバーサル・デザイン大賞」というのは他にどのようなところが受賞しているのか、ちょっと主催を調べてみるとホームページは閉鎖されており、団体についての詳しい情報もほとんど検索できませんでした。
また、他の受賞者に関してもあまりヒットせず、2009年以降は開催されていないのか、本賞を受賞しているところを見つけることはできませんでした(主催団体の住所をストリートビューで覗いて見ても看板は出ているようですが、なんとなく気配が感じられません/201504更新)。

トゥリバーが埋め立てられた後も既存の海岸線には、豊かな自然環境と戦跡(トゥリバー秘匿壕)が残されました。また、ここはかつて人頭税廃止に尽力した中村十作が、廃止運動を完遂させたのちに、来島の本来の目的だった真珠養殖を手掛けていた地でもあり、宮古の歴史に関係の深い場所となっています。そして現在においてもトゥリバーは、日々、市民に広く親しまれています(下の地図で埋立地に突き出している岬はスキ崎)。




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