2015年06月09日
第34回 「平和観音像の碑」

城辺編の六月。先週に引き続き東平安名崎からお届けです。今日、紹介する石碑-いしぶみ-は「平和観音像の碑」。
建立されている場所は、岬の付け根、岬入口にある「東平安名崎」の看板(石板)があるあたりを(灯台に向かって)左に登った先のさらに奥。オーシャンリンクスとの境に近い、崖っぷちの藪の中です(夏場は茂みがきつくて、太公望が道を開拓しれない限り近づくことは厳しいですが、碑のサイズが大きいので上のほうだけは見ることができます)。

【碑文】
平和に明け暮れたこの島が、大東亜戦争の決戦場の一つとなった。戦没者の慰霊と平和の祈りを込めた銅板レリーフ製の観音像が、1979年にこの地に建立されました。石碑からは景勝地の東平安名崎が一望できる、知る人ぞ知るビューポイントでもあります。
この島の守備防戦のために二万五千名の将兵が、本土より来島していた。
そして食糧もなく二千数名の将兵がこの地で散華した。
こんな悲しい事は再び起こしてはならない。
われわれは平和の願いをこめて、亡き戦友の霊の冥福を心から祈るものである。
この碑は、地元城辺町森田武雄町長ほか、多くの協力者の善意により建立したものである
武部一良撰
見上保護者
碑の少し手前には観光バスなどが立ち寄り、岬の風景をバックに集合写真を撮るポイントがあり、ここはポスターやガイドブックなどの写真に使われる撮影場所なので、手軽にプロの構図で東平安名崎の写真が撮ることができます。
今年は戦後70年であり、宮古島市総合博物館でも「戦後70年残されたモノ~記憶・記録・モノ・遺跡~」と題した企画展が催されたり(2015年6月30日まで)、更竹地区の司令部壕の調査報告がマスコミで話題になるなど、宮古島ではあまり光が当たってこなかった記録と記憶の発掘が急ピッチで進められています。
宮古島に大規模陣地壕跡 市教委発見、県が詳細調査/琉球新報(20150608)
宮古最大規模の壕跡発見/市教委/宮古毎日新聞(20150609)
宮古の大規模陣地壕 県が報告書まとめるRBC「THE NEWS」(20150608)【動画】
そんな中、ちょうど10年前にこの「平和観音像の碑」を建立された、元日本兵の武部一良さん(当時85歳)が、久しぶりに来島されたことが記事となっているのを見つけました。
終戦60年で弔いの旅/「平和観音像の碑」建立者の武部さん家族
/宮古毎日新聞(20050115)
連載企画 「んなま to んきゃーん」
なにかを記念したり、祈念したり、顕彰したり、感謝したりしている記念碑(石碑)。宮古島の各地にはそうした碑が無数に建立されています。
それはかつて、その地でなにかがあったことを記憶し、未来へ語り継ぐために、先人の叡智とともに記録されたモノリス。
そんな物言わぬ碑を通して今と昔を結び、島の歴史を紐解くきっかけになればとの思いから生まれた、島の碑-いしぶみ-を巡る連載企画です。
※毎週火曜更新予定 [モリヤダイスケ]
『(仮称)ATALAS ファンクラブ~宮古学~』 入会募集(予定)
宮古在住者限定で、おのおのが日夜、情熱と好奇心に任せて研究しているネタ(テーマ)を、相互に発表(おしゃぺりして)して座を楽しもうという緩いサークルを立ち上げようと計画しています。
ちょっとアカデミックな馨りを醸し出してみようと「宮古学」などと謳ってみましたが、特別な研究者である必要はなく、「日曜大工」ならぬ、「日曜研究家」として、面白おかしく文化や歴史など知的好奇心の探究を一緒に妄想しませんか?。時には現地調査と称した冒険の旅(いわゆる聖地巡礼とか)に出たりして、専門家の先生をゲストに呼んで座談会という名の質問大会とか、色々気になるコトを共に楽しむ宮古島の文系仲間の募集です。
【入会資格】
・基本、宮古在住であること(リアルなフィールドワークが可能)。
・なにかしら研究テーマ(ネタ)を持っていること(聞き逃げ禁止)。
・会費などは今のところ未定です。
・活動は最低でも月イチくらいでゆんたくが出来たらいいかなと。
~入会希望はATALASネットワークまでメッセを下さるか、スタッフまで直接お問い合わせください。
※まだ会の発足にまでは至っていませんが、興味がある方は是非!
Posted by atalas at 12:00│Comments(0)
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