2015年01月06日
第12回 「博愛之塔」
「ドイツ商船ロベルトソン号遭難に始まる博愛記念碑の物語」は延長戦の2戦目。通算で8回目に突入します。
今回ご紹介するのは「博愛之塔」。ネーミングはなんとなく素敵な感じを醸し出していますが、いわゆる言葉として独り歩きを始めた「博愛」の二次使用的な記念碑となっています。
設置場所は高山農村公園内にある上野体育館の正面玄関前です。余談になりますが、こちらの体育館(背景にある建物)は沖縄県で開催された海邦国体(1987年/昭和62年)で成人女子6人制バレーボールの開催地となりました(記念碑が1989年/平成元年に建立されている)。

塔と名乗っている割には、レンガタイルを貼った四角錐台の高さは2メートル程度しかなく、微塵も塔っぽさを感じさせません。
それもそのはずで、実はこのモニュメントはかつて塔だったものの名残なのです。
正面の「博愛の塔」と書かれた碑銘の下にある解説板には、このように書かれています。

構造図を参考に、よく観察してみると四角錐台の四隅にコンクリートの脚部基礎が残っています。また、裏手の小部屋にはバッテリーがむき出しのまま放置されていました。
どうやら今よりも倍以上の高さがある、文字通りの塔がそびえ、頭頂部には太陽電池のパネル(構造図には太陽電池と記述されている)が取り付けられ、そこから生み出される電気を使って駆動する時計が設置されていたようです。
どのような経緯で失われてしまったのかは判っていませんが、塔の主要部は金属とおぼしき構造になっているので、なんでも錆びさせる島の腐食力に負け、台風の決定打を喰らって倒壊してしまったのかも知れません。
ただ、この塔は1979(昭和58)年11月20日に建立されているので、体育館で開催された海邦国体の際に、その最先端科学を史駆使した雄姿を見せていたのかは、ちょっとばかり気になります。それにしてもさすが、エコアイランドの名に恥じない素晴らしい先進性です。
報告の通り、直接「ドイツ商船ロベルトソン号遭難に始まる博愛記念碑の物語」とはつながりがありませんが、「博愛」の名を冠している以上、仲間に加えておきたいと思います。
今回ご紹介するのは「博愛之塔」。ネーミングはなんとなく素敵な感じを醸し出していますが、いわゆる言葉として独り歩きを始めた「博愛」の二次使用的な記念碑となっています。
設置場所は高山農村公園内にある上野体育館の正面玄関前です。余談になりますが、こちらの体育館(背景にある建物)は沖縄県で開催された海邦国体(1987年/昭和62年)で成人女子6人制バレーボールの開催地となりました(記念碑が1989年/平成元年に建立されている)。


それもそのはずで、実はこのモニュメントはかつて塔だったものの名残なのです。
正面の「博愛の塔」と書かれた碑銘の下にある解説板には、このように書かれています。

「太陽エネルギー時計」
資源の乏しい日本にとって石油に代わるエネルギーの開発は大きな課題であり、中でもクリーンでつきることのない太陽光エネルギーを電気に換える「太陽光発電」の技術は、その将来に大きな期待が寄せられています。
この技術を応用し、実用化したのがこの時計塔であり、通商産業省と新エネルギー総合開発機構(NEDO)が上野村の協力を得て設置したものです。

どうやら今よりも倍以上の高さがある、文字通りの塔がそびえ、頭頂部には太陽電池のパネル(構造図には太陽電池と記述されている)が取り付けられ、そこから生み出される電気を使って駆動する時計が設置されていたようです。
どのような経緯で失われてしまったのかは判っていませんが、塔の主要部は金属とおぼしき構造になっているので、なんでも錆びさせる島の腐食力に負け、台風の決定打を喰らって倒壊してしまったのかも知れません。
ただ、この塔は1979(昭和58)年11月20日に建立されているので、体育館で開催された海邦国体の際に、その最先端科学を史駆使した雄姿を見せていたのかは、ちょっとばかり気になります。それにしてもさすが、エコアイランドの名に恥じない素晴らしい先進性です。
報告の通り、直接「ドイツ商船ロベルトソン号遭難に始まる博愛記念碑の物語」とはつながりがありませんが、「博愛」の名を冠している以上、仲間に加えておきたいと思います。
連載企画 「んなま to んきゃーん」
なにかを記念したり、祈念したり、顕彰したり、感謝したりしている記念碑(石碑)。宮古島の各地にはそうした碑が無数に建立されています。
それはかつて、その地でなにかがあったことを記憶し、未来へ語り継ぐために、先人の叡智とともに記録されたモノリス。
そんな物言わぬ碑を通して今と昔を結び、島の歴史を紐解くきっかけになればとの思いから生まれた、島の碑-いしぶみ-を巡る連載企画です。
※毎週火曜更新予定 [モリヤダイスケ]
Posted by atalas at 12:00│Comments(0)
│んなま to んきゃーん