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2014年10月28日

第2回 「ドイツ皇帝博愛記念碑 レプリカ」

宮古島を代表する石碑(モノリス)といえば、さまざまな思惑が交錯する国際情勢の中、1876(明治9)年に漲水港を見下ろす斜面の一角に建立された、ドイツ皇帝博愛記念碑ではないでしょうか。
1873(明治6)年に旧・上野村宮国のンナト浜(現・うえのドイツ文化村)沖で嵐によって難破した、ドイツ商船ロベルトソン号を住民総出で救出した“博愛”の物語が元になっています。
第2回 「ドイツ皇帝博愛記念碑 レプリカ」
それから100年。1972(昭和47)年11月・・・。
南国の厳しい暑さと荒れ狂う台風の雨風に曝され、かすれて読みづらくなるほどに碑文は劣化し、破損の危険性もあることから修復も難しくなっていたこともあり、ドイツ皇帝博愛記念碑のレプリカが作られました。
碑の厚みは原版とは異なるものの、鮮やかに蘇った碑文が刻まれたレプリカが、カママ嶺公園の隅に新たな記念碑として整備されました。

この100年を記念してレプリカの碑を建立したのは、世界が大きく動き始めていた1936(昭和11)年に、宮古島で大々的に催された博愛記念碑建立60周年式典の開催に尽力した、宮古育英の父と称される下地玄信(1894-1984)であった。

時代の大きなうねりのようなものに翻弄されながらも、折に触れてその歴史の片隅に登場する博愛記念碑は、小さいながらも宮古島とドイツを結ぶ礎(いしじ)といえるのではないでしょうか。

ドイツ商船ロベルトソン号遭難事件(宮古キッズネット)
http://www.miyakojima-kids.net/german-ship.html
「博愛美談」ドイツ商船ロベルトソン号遭難事件(あんちーかんちー)
http://akmiyako.ti-da.net/e2368398.html

下地玄信育英会(2014年解散)
http://www.ikueinotiti.org/
市に残余財産を委譲/下地玄信育英会(宮古毎日新聞2014年5月28日)
http://www.miyakomainichi.com/2014/05/63151/



連載企画 「んなま to んきゃーん」
なにかを記念したり、祈念したり、顕彰したり、感謝したりしている記念碑(石碑)。宮古島の各地にはそうした碑が無数に建立されています。
それはかつて、その地でなにかがあったことを記憶し、未来へ語り継ぐために、先人の叡智とともに記録されたモノリス。
そんな物言わぬ碑を通して今と昔を結び、島の歴史を紐解くきっかけになればとの思いから生まれた、島の碑-いしぶみ-を巡る連載企画です。
※毎週火曜更新予定  [モリヤダイスケ]



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