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2019年02月01日

3本目 「洗骨」

3本目 「洗骨」

読者の皆様、お久しぶりです。
2か月ぶりの「シネマ de ミャーク」。第3回は宮古島でも2月9日公開の最新作「洗骨」をお届けします。

【映画『洗骨』予告編 2019年1月18日、沖縄先行/2019年2月9日全国公開】

本作は、あのガレッジセール・ゴリが本名の照屋年之名義で撮った作品。

私は東京で行われた試写会で先に鑑賞させていただいたのですが、素晴らしかった! 心に染み入る素晴らしい作品でした。

私が「洗骨」という言葉を知ったのは、たぶん池上永一の小説の中で触れたのが最初だと思います。風葬にした遺体を、4年後に掘り出してその骨を改めて洗い清めるという風習。
沖縄では古くから行われていたというが、現在では一部離島などに残るのみと言われています。
3本目 「洗骨」
本作の舞台は粟国島。4年前に亡くなった母の「洗骨」のために内地から子供たちが帰ってきます。子供たちも、妻に先立たれた夫も、皆それぞれに心の傷を抱えていました。

長く東京で仕事をしてきたゴリですが、スクリーンから感じられる空気感は紛れもなく沖縄そのもの。主要なキャストも奥田瑛二、筒井道隆、水崎綾女と内地の俳優で、こういった場合、不自然さが目立ってしまうことも多いのですが、本作はテンポも、シリアスとギャグの独特なとぼけたバランスも、沖縄産ドラマ・映画のそれで安心して見ていられます。
3本目 「洗骨」
軒先の何気ないシーンに聞こえるヤーズミ(ヤモリ)の鳴き声。FECの山城智二さんが出ているだけで、なんかホンモノの沖縄だって空気になります。さらに、主題歌「童神」を唄う古謝美佐子さんも「あれ?こんなところに?」って役でご出演しています。

キャストはみなさん良かったんだけど、私は特に奥田瑛二のお姉さん役の大島蓉子さんが最高でした! 大島蓉子さんと言えば「TRICK」のおばちゃんをはじめとして、多くの作品にスパイスのような脇役として活躍してきた名バイプレイヤー。本作では準主役級で、実際こんなに彼女の芝居をじっくり見られたのも初めてなのですが、改めてその存在感に圧倒されました。

逝く命と生まれくる命。4年ぶりに集まった家族は、それぞれの抱えていた心のわだかまりを乗り越えて、母の「洗骨」を行います。

「命をつなぐ」

エンドロールにかかる主題歌は、おなじみ「童神」。プレミア試写会では古謝美佐子さんがステージでナマ歌を披露。ミュージック・コンベンションやJTAドームフェスタでも聴いた感動が東京の観客の心もつかみ、涙を誘いました。
3本目 「洗骨」
照屋監督は、この映画を見た実のお父さんから「私も洗骨にして欲しい」と言われたそうですが、「アニキはめんどくさいと言っていたので、オヤジは火葬です。次は“火葬”という映画を撮ります」と言って会場を笑わせていました。

1月18日からの県内先行公開では、あの「ボヘミアン・ラプソディー」を抑えて興行成績、動員共に1位を記録!
照屋林助、照屋林賢の血脈は伊達じゃない。照屋年之(ゴリ)監督、素晴らしい才能です。「洗骨」全力でオススメします!

[洗骨]
公開 2019年2月9日(全国)
監督 照屋年之(ガレッジセール・ゴリ)
出演 奥田瑛二、筒井道隆、水崎綾女、大島蓉子、山城智二、古謝美佐子、他
配給 ファントム・フィルム
主題歌 童神(古謝美佐子)
公式ホームページ
※画像は配給会社より許可を得て使用しています。



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