2017年07月07日
Vol.17 「んなま ずぶん(今ごろ)」

梅雨が明け、太陽の光が燦々と降り、ナビガース(クマゼミ)の大合唱。夏の到来だ。
今回は、「んなま ずぶんぬ(今ごろの)」花や風景を紹介したいと思う。

実家に昨年芽を出した、まんじゅうぎー(パパイヤの木)があり、ぐんぐん伸びている。
今朝何気に見たら、その木にナビガース(クマゼミ)が2匹とまり、ショーショーショーと鳴いていた(へぇー、マンジュウギーにも止まるんだ)。
実家の周りには、うぎゃすぎー(モクタチバナ)やキャーギギー(イヌマキの木)があり、そこではよくセミが止まっているが、マンジュウギーに止まるとはびっくりだった。

そして、ウギャスギーのそばには、ジョロウグモが巣をつくり、セミを狙っている。
案の定、一匹捕まっていた。
地面に視線を移すと、ハマオモトの白い花が。子どもの頃、ハマオモトの葉の薄皮をはがして風船を作ったりしたなぁ。
ハマオモトは、魔除けになるそうで、母は家の前に植えている。

花で遊んだと言えば、アカバナ。
アカバナの一種のフウリンブッソウゲ(フウセンブッソウゲ、チョウチンブッソウゲとも言う)が風にゆれてかわいいがま。
この花を一枚、一枚、はがし、額や鼻、頬にくっつけて遊んだ。
花びらの根の部分が糊のようにくっつく事と、その色鮮やかな赤が顔にくっついているのが面白かったのだろう。あの頃の子どもは誰でもやっていた。
子どもの頃には、見かけたことのなかった、ゴールデンシャワーの黄色い花や、ホウオウボクの赤い花も今が盛りと咲いている。
両方とも、下里通りで咲いているものだが下里通りの拡幅工事をした時に街路樹として植えたものらしい。今では、すっかりおなじみの夏の風景だ。

夏は夕方の時間帯がなんともまた素敵だ。
先日、台風3号が去った後の夕方の空もきれいだった。
昼の「動」からから夜の「静」へと移る間合いの時間。その中に佇んでいると心も身体もゆったりとしてくる。木々もセミも蜘蛛も花もその瞬間瞬間を精一杯生きている。そして、自分もそんな自然の中にいる一人として存在していることを実感する。
夏は始まったばかり。余すことなく満喫しようと思う。
松谷 初美(まつたに はつみ)
1960年生 下地高千穂出身
2001年より、宮古島方言マガジン「くまから・かまから」主宰
30年住んでいた東京から昨年Uターン。現在下地に住んでいる。
毎日が新鮮。宮古の魅力を再発見中。
宮古島方言メールマガジン『くまから・かまから』
http://km22.web.fc2.com/
Posted by atalas at 12:00│Comments(0)
│宮古島四季折々