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2017年01月06日

Vol.11 「げっきつ(月橘)の実」

Vol.11 「げっきつ(月橘)の実」

実家(高千穂・カザンミ)から母校の下地小学校まで4キロ近くある。
子どもの足で1時間近くかかった。朝はまっすぐ学校に向かうが、帰りは、沖縄製糖工場前の与那覇湾に降りて遊んだり、崎田川まで行き水遊びをしたり、道端の木の葉っぱで遊んだりしながらゆっくり帰った。
川満からカザンミに抜ける道のそばに、げっきつ(月の夜に花がよく香るために月橘という名になったとか)の木があった(当時名前は知らなかったが)。
Vol.11 「げっきつ(月橘)の実」
夏には、かばすーかばす(良い匂い)の白い花が咲き、冬になると緑色の実をつけた。熟すると赤い実になる。幼馴染と私はよく学校から一緒に帰ったが、私達は緑色の実を見つけるとすかさず手に取り、口に・・・ではなく、皮をむいて爪にぬるのだった。
げっきつの実には皮と薄皮の間に透明の液があり、それを爪に塗るとまるで透明のマニュキュアを塗ったようにきれいになる。ひとつの実はとても小さく、ひとつの爪に塗れるくらい。実はたくさん生るので何個も取って、塗っては爪を眺めるのであった。
誰に習ってそれをするようになったかは覚えていないが、たぶん近所のねぇねぇ達がやっていたのを見て、やるようになったのだろう。
昨年末、親せきの家の庭に、げっきつの実がたくさん生っているのを見つけた。懐かしくて枝ごともらってきた。そして、塗ってみた(笑)。実も割ると柑橘系の香りがする。子どもの頃に遊んだ川満からカザンミに通じる道でのことが瞬時に蘇った。
Vol.11 「げっきつ(月橘)の実」
げっきつの実は、葉と同じ緑色をしているので気づきにくいが、今でも、宮古のうまかま(あちこち)にあるようだ。よかったら、とぅみ みーるよ(探してみてね)。
今の子どもたちは、植物で遊ぶことはあまりしないかもしれないが、大人がやってみせると案外面白がるかも。身近な植物は遊びの宝庫だ。

今年も宮古の季節の移り変わりを自分の身の回りを中心にお届けしたいと思っています。
よろしくお願いします。



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