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2019年06月26日

Vol.35 「キビの葉が青々と」

Vol.35 「キビの葉が青々と」

すとぅむてぃ しゃーか(朝早く)から、ナビガース(クマゼミ)の大合唱が響く、梅雨の終わり・・・。
サトウキビの葉が青々と背丈を伸ばし風に揺れている。
今年は、雨も過不足なく降り、農作物、植物たちは、元気だ。
Vol.35 「キビの葉が青々と」
サトウキビは、収穫までに約1年半かかる。
今、背丈が1メートルくらいのキビは、この春に収穫が終わり株から芽が出たもの。
2メートルあまりのキビは、昨年の株出しか、昨夏に植えられたものだ。

キビ畑を気にかけて見るのは、ばらん(穂)が一面に揃う冬の頃か、収穫が始まった頃、植える頃だったが、今年は、この時季のキビの美しさに心惹かれている。
まだ、台風が襲来していないので、倒れることもなく、また、まだ若いので背丈もそう大きくなく、密集して揃い、何とも美しい。

実家の南側にあるキビ畑も今まさにそんな感じだ。
今朝、キビ畑を見ていたらキビの甘い匂いと葉の匂いが混ざったような何とも懐かしい匂いがして一気に50年ほど前の風景が蘇った。
Vol.35 「キビの葉が青々と」Vol.35 「キビの葉が青々と」
当時からこの畑はあり、その横はあぜ道だった。そこにゴザを敷きままごとをしたり、セミ取りなどをして遊んだ。あの頃の匂いだ。
あの頃はキビ畑への関心など、少しもなかった。でも、匂いは記憶の中にしっかりと収められていたようだ。

20代から50代初めまで、宮古を離れ東京に住んでいた。
30代の頃から宮古のことが気になり始め、宮古への郷愁は募るばかり。
里帰りするたびにすべてが懐かしく、愛おしい思いがこみ上げてきた。東京に戻る時の寂しさといったら。

それから20年余り経ち、宮古に帰ってきた。5年余りが経つ。
少しずつその懐かしさは薄れているが、時々こうやって匂いや風景でよび醒まされるものがある。周りの自然が自分に与えたものがいかに大きいか知る瞬間だ。
Vol.35 「キビの葉が青々と」
これから台風の季節に入る。まっすぐ伸びていたキビも倒れたり、折れたりするだろう。
それでも、また太陽や雨の恵みを受け、成長していく。その時々のサトウキビの姿、美しさを堪能しようと思う。

松谷 初美(まつたに はつみ)
1960年生 下地高千穂出身
2001年より、宮古島方言マガジン「くまから・かまから」主宰
30年住んでいた東京から昨年Uターン。現在下地に住んでいる。
毎日が新鮮。宮古の魅力を再発見中。

宮古島方言メールマガジン『くまから・かまから』
http://km22.web.fc2.com/



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