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2019年01月25日

Vol.32 「葉タバコの苗植え始まる」

Vol.32 「葉タバコの苗植え始まる」

年末からすっきりしない天気が続いていたが、ここ数日太陽が顔を出すようになった。
日差しが降り注ぐことのうれしさと言ったら。サトウキビの穂も輝き美しい。
Vol.32 「葉タバコの苗植え始まる」
この時季、畑では、葉タバコの苗植えをしているのが見える。実家は葉タバコ農家で、これから忙しいシーズンを迎える。
葉タバコは1月から2月にかけて苗を植え、4月には収穫が始まり6月頃まで続く。
今でこそ、機械で、植えることから収穫までするが、以前は、すべて手作業だった。その苦労たるや・・・。

農作物は、その年の天候によって随分と収入が違ってくる。サトウキビは、台風には意外と強いが、干ばつには弱い。でも今は、スプリンクラーが設置されている畑が多く、干ばつによる被害は昔ほどではなくなった。
葉タバコは台風に弱い。
数年前には、5月に台風が上陸。半分以上の収穫を残し、全滅となった。
これまでの苦労が水の泡だ。
Vol.32 「葉タバコの苗植え始まる」
【畝を跨ぐように作られた、変わった形の専用の農機具で、苗植えや、花摘み、葉の収穫などをします】

農家は、その年の出来不出来によって大きく収入が変わる。
父は、「100万あれば100万の生活。10万円なら10万の生活をするさ」と言った。
「ういど 農業(それが農業)」だと。

農業の厳しさを幼い頃から見ていた兄弟は、誰も農業を継ごうとは言わなかった。
それがどういうわけか、一番継ぎそうになかった三番目の兄が父の後を継ぎ、葉タバコを続けている(人生、分からないものだ)。
Vol.32 「葉タバコの苗植え始まる」
【大きく育った煙草の葉】

今植えている苗は、3月には人の肩くらいまで伸び、ピンク色の花を咲かせ、4月には収穫が始まる。その間には、又芽摘みもあり、休む間もない。収穫した葉は乾燥させ、袋詰めにして保管。8月から9月頃に売買となる。
その一連の作業が今年も始まった。すべてが順調で、うまくいきますようにと願う。

宮古民謡に「豊年の唄」というのがあるが、作物が育ち、それらが揃い、豊作になりますように、実り豊かな世の中になりますようにと願う歌だ。年を取れば取るほど、この唄の意味が、思いが心に響くようになった。
Vol.32 「葉タバコの苗植え始まる」
【小さく可憐で美しい煙草の花】

今年も、いろいろな作物が豊作でありますように。

 くとぅすから ぱずみゃーしーよー サァサァ
 みるくゆーぬ なうらば ゆーや なうれ~
 ヨーイティーバ ヨーイダーキーヨー サァサァ
 するいど かぎさぬ ゆーや なうれ

松谷 初美(まつたに はつみ)
1960年生 下地高千穂出身
2001年より、宮古島方言マガジン「くまから・かまから」主宰
30年住んでいた東京から昨年Uターン。現在下地に住んでいる。
毎日が新鮮。宮古の魅力を再発見中。

宮古島方言メールマガジン『くまから・かまから』
http://km22.web.fc2.com/



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