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2017年06月09日

21冊目 「ぼくの沖縄〈復帰後〉史」

21冊目 「ぼくの沖縄〈復帰後〉史」

お久しぶりです。半年前くらいにはじめましてと、ご挨拶させていただいた阿部ナナメ44才です。
また書いてみない?というお話があり、緊張ながらも書いてみることにしました。よろしくお願いいたします。
21冊目 「ぼくの沖縄〈復帰後〉史」
今回チョイスしたのは新城和博さんの『ぼくの沖縄〈復帰後〉史』です。
島の本棚を読んでおられる方なら、ご存じのボーダーインク編集者の新城さんです。
沖縄県産本と言えば新城さんというくらい有名な方です。特に面識はありませんが、有名な方なので強調してみました。ちょうど復帰45周年が近かったし、わたしは1972年生まれです。復帰という言葉に敏感なお年頃なのです。チョイスの理由はそんなとこです。

この本は2011年1月から2012年4月まで沖縄タイムスの文化面で連載されていたコラムをまとめて、2014年に発刊された本です。1963年生まれの新城さんは、沖縄タイムス社から与えられたお題をもとに記憶をたどったと書いています。ということで、1972年生まれも記憶をもとに思い返しながら読んでみました。

 1970年代 ダイナハ・海洋博・730(ナナサンマル)
 1980年代 断水326日・バススト
 1990年代 安室奈美恵大ブレーク
 2000年代 沖縄サミット・ドラマちゅらさん・美ら海水族館・ゆいレール


新城さんが書かれたものから抜粋してみました。
本島に住んでいたり、宮古島に住んでいたり内地にいたりで、その時その時でだいぶ印象も記憶も新城さんとは違ってた。

1980年代までは中学生で本島にいた。
平和学習は遠足とかの課外学習で摩文仁のあたりばかりだったのでガッチリ。ただ戦後の歴史については記憶にない。沖縄の歴史を学ぶというより、「ザ・ベストテン」や「夕やけにゃんにゃん」、深夜ラジオから入る内地情報にひかれる毎日。天久の外人住宅のステキ感に憧れて、牧港や嘉手納とか基地のフェスティバルに遊びにいったりした。いつもの平和通りじゃない「ダイナハ」や「三越」、「山形屋」の都会的なお店に連れてってもらうのが好きだった。浦添のローラースケート場が初デートの場所だった。
1990年代は青春謳歌の真っ只中。
歴史や政治のことなんか考えないし知らない。ただただ楽しかった毎日。
2000年代は母になり都会になっていく本島で、憧れた天久の外人住宅からおもろまちに変わった新都心、美ら海水族館にゆいレールを楽しんでいた。
こんな感じで、懐かしく振り返りながら読んでみました。特にできやー(賢い子)ではないのでこんな感じです。

記憶の中の沖縄と今の沖縄、どう変わったのでしょうか?と、まえがきは〆られています。
読み終えて、良くも悪くも沖縄は沖縄だな、と思う。
1980年代のヤマトンチューになりたくて、なりきれないが続いているなぁと。新城さんが言うように物理的距離は縮まったけど心情的には・・・今の沖縄が置かれている状況をみると、そうだねって。
それでいて必要なものを受け入れて、だからといって不必要なものを完全排除しているわけでもなく、沖縄が沖縄でいられるように葛藤して、混ぜこぜ。そんな気がします。

復帰っ子でなければ手に取らなかったかもしれない。手に取らなかったら沖縄について、考えなかったかもしれない。母親になっていなかったら政治のことなんて考えなかったかもしれない。歴史なんて明治維新あたりの高杉晋作くらいしか興味なかった。

復帰という言葉に敏感でよかった。沖縄人として少しだけスキルアップするチャンスになりそうだ。

〔書籍データ〕
ぼくの沖縄〈復帰後〉史
著者 /新城和博
発行/ボーダーインク
発売日 / 2014年1月31日
ISBN /978-4-89982-248-6

【阿部ナナメ@島の本棚】
15冊目 「てぃんぬに 天の根 島に生きて」(2016年12月09日)



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Posted by atalas at 12:00│Comments(0)島の本棚
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