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2016年12月09日

15冊目 「てぃんぬに 天の根 島に生きて」

15冊目 「てぃんぬに 天の根 島に生きて」

今回はいつもの本棚司書(?)である江戸之切子が公私共に超多忙につき、緊急代打役を島でヘッドハンティングしてまいりました。本邦初登場の謎過ぎるベールに包まれた実態は、連れてきた編集も未だ完全には掴み切れていませんが、きっと面白いはず!というお墨付きもあることから、勝手ながら大抜擢をさせていただきました。
それでは阿部ナナメさん、よろしくございます!(一部読者の皆様へ。某ソシャゲのあべななとは一切関係ございませんw)

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15冊目 「てぃんぬに 天の根 島に生きて」
はじめまして。
高校2年生の娘をもつ阿部ナナメ(仮名)44才です。母方祖父が海外生まれの帰国子女という以外は、家族親戚は宮古島出身という池間民族な宮古人です。

まずは、これから紹介する本の著者、医師の本永英治先生を略歴から抜粋して紹介します。
旧平良市西里の出身で自治医科大学医学部を卒業して、県内の離島勤務を経て1998年4月に沖縄県立宮古病院にリハビリテーション科の医師として赴任。長年に渡って地域医療に携わったことから2010年2月には第3回地域医療貢献奨励賞を受賞され、現在は宮古病院で副院長として勤務を続けています。
医師としての勤務のかたわら、宮古方言や、宮古民謡・古謡を学び、宮古島の自然観察日記をつけるなどし、宮古毎日新聞に、宮古島の自然雑感やミャーク・アーグ考などのエッセイを投稿されています。
これだけミャークーミャークしている大人ってなかなかいませんね。

そんな本永先生が本を出版されました。
投稿してきたエッセイなどを集めた『天の根 島に生きて』です。

なんというか想像力をかきたてられた本でした。
宮古島の自然や言葉、唄に文化。20年以上も住んでいて理解していなかった宮古島なのに、なぜこんなにも生き生きとあたしの頭に浮かぶのだろう。本を読むのが好きだけど、こんなに想像力豊かなあたしだったかなぁ?んー?なんでだぁ?なんて考えて思い付いた。

優しい口調で書かれた言葉が、一緒に自然のなかを歩いているみたいな風景を思わせるからだ。ときおり方言を交えて昔の生活に思いをはせ、自然と一緒に生きていることを実感させるような話くち。医師としての患者さんへの想い。エッセイだからこそ瞬間の風景が切り取られて、うかび出す。そこには自分を飾り立てることなく、自然に溶け込んで本永先生が立っているように思える。

おぉ!小さな頃の記憶がよみがえる!。
ざうかに(ぐみの実)、木いちご(もとす゜)、桑の実(ばんき゜ぎーぬなず)、ばんちきろう(グアバ)、遊び疲れてお腹すいて道ばたになっているのを摘まんで食べた。ユムヌといえば、カタアシピンザ!じゃなくてネズミ。がばおじい、がばおばあたちの話す方言と唄があったよね!だから方言は聴けるじゃないか!。

戻ります。

本永先生はこの本を『僕の宮古島学習の結果だ。宮古島研究書だ。(意訳)』と書いてます。確かにエッセイ集というよりは、ひとつひとつのテーマをほどいて書いているので、まとめのようです。

そんな研究書には、あくまで想像なんですけど、あたしのように宮古島を理解していない昔の子どもに向けてだったり、宮古島で子育てしているわりには宮古島のことを教えきれていない世代に子どもの頃を思い出させて、その子どもらと宮古島の事を一緒に学習しようよ!という裏テーマがあるのでないのか?と思います
そうとしか思えないのです。頭に宮古島を生き生きと浮かべられるように書かれていて、想像力をかき立てられて懐かしくて。

読み終えて行き着いたのは、『娘に読ませたい』という気持ちでした。
自然のなかにある厳しいけど優しい世界の宮古島を感じて欲しい。全部を体験するのは難しいけど、この研究書片手に歩けばなんとかなるはず。

そろそろ冬になりますし、近い将来に島を巣立つ娘とカノープスを探しに行こうと思います。

まんまと策略にはまった気もしますが、悪くないです。散歩地図が欲しいくらいです。
次回作も期待していますよ、本永先生!

〔書籍データ〕
てぃんぬに 天の根 島に生きて
著者 /本永英治
発行者/花View出版
発売日 / 2016/08/02
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Posted by atalas at 12:00│Comments(0)島の本棚
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