2015年06月16日 12:05
一九四二(昭和一七)年一月二十四日、日本軍の九九式襲撃機が六期編隊で宮古島上空を飛行中、通信兵と二人乗りの隊長機にエンジントラブルが発生、この地に不時着した。岐阜県の各務原を飛び立ち沖縄本島経由で台湾・フィリピン方面へ飛行機輸送任務中のことであった。
当時この地は、起伏が激しく、わずかな平地を捜して着陸はしたが、修理後の離陸を困難と判断した小田泰治機長(当時陸軍中尉二十二歳)は、滑走路作りの協力を城辺村長に要請した。これに応え、島内児童生徒・老若男女が連日作業に当たり、一ヵ月後には幅約三十メートル長さ三百メートルの手作り滑走路が完成、飛行機を無事離陸させた。
五十五年後「おかげで任務が遂行できた」と小田機長が来島した際にこの現場を確認した。
ここに宮古島の子供たちをはじめ住民の親切・協力心をたたえ、小田機長の感謝の意を永久に伝えるために、記念碑を建立する。
一九七七(平成九)年6月吉日
昭和十七年一月二十四日 零時三十分台湾方面へ向ケテ飛行機六機中一機故障、字福里北海岸ノ浦底平地ニ不時着(午後一時頃)
低空飛行スルコト約二十分(飛行中福嶺校北西松林中ニ「飛行場知ラシテ下サイフジチャク」ノ紙片ヲ落ス)。ソレヨリ職員総出トナリ不時着地ノ選定ヲナスト同時にニ役場、駐在、平安名崎〇〇隊ニ急報ソノ中前記平地ニ乗者、機体無事着ス。
昭和十七年二月三日 飛行機不時着ノ地均工事ヲナス 職員児童青年団員出仕。
昭和一七年四月三十日 感謝状ヲ受ク
各務原陸軍航空輸送部支部 節川原野不時着セル機長 陸軍中尉小田泰治
連載企画 「んなま to んきゃーん」
なにかを記念したり、祈念したり、顕彰したり、感謝したりしている記念碑(石碑)。宮古島の各地にはそうした碑が無数に建立されています。
それはかつて、その地でなにかがあったことを記憶し、未来へ語り継ぐために、先人の叡智とともに記録されたモノリス。
そんな物言わぬ碑を通して今と昔を結び、島の歴史を紐解くきっかけになればとの思いから生まれた、島の碑-いしぶみ-を巡る連載企画です。
※毎週火曜更新予定 [モリヤダイスケ]
『(仮称)ATALAS ファンクラブ~宮古学~』 入会募集(予定)
宮古在住者限定で、おのおのが日夜、情熱と好奇心に任せて研究しているネタ(テーマ)を、相互に発表(おしゃぺりして)して座を楽しもうという緩いサークルを立ち上げようと計画しています。
ちょっとアカデミックな馨りを醸し出してみようと「宮古学」などと謳ってみましたが、特別な研究者である必要はなく、「日曜大工」ならぬ、「日曜研究家」として、面白おかしく文化や歴史など知的好奇心の探究を一緒に妄想しませんか?。時には現地調査と称した冒険の旅(いわゆる聖地巡礼とか)に出たりして、専門家の先生をゲストに呼んで座談会という名の質問大会とか、色々気になるコトを共に楽しむ宮古島の文系仲間の募集です。
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