Vol.20 「台風の後、緑が青々と」

atalas

2017年10月06日 12:00



日中はまだまだ暑さの残る宮古だが、日の出も遅くなり、日の入りの方角はだいぶ北よりになってきた。

先月、宮古を直撃した台風18号は、サトウキビを倒し、電線や電話線等を切断し、被害をもたらしたが、あれから一ヶ月近く経った今、倒れたキビは起き上がり、ライフランも大方復旧をしてきた。葉を落とされた木々は、青々とした葉をうれしそうに繁らせている。

それにしても久しぶりに体験した大型の台風だった。家の前の松林は、風と雨で見えず、畑は泥沼のよう。キビの葉はこれでもかと揺らされ、台風は力尽きることはないのかと思うほど長時間荒れ狂っていた。昔のかーらやー(瓦屋根の家)だったら飛ばされていたかもしれない。

台風が去った後、近くの木々や街路樹を見ていると、台風に強い木、弱い木が目についた。
フクギは、防風林と言われるだけあって、落ちる葉も少なく塩害で枯れることも少ない。
漲水港近くのフクギの街路樹は、台風などなかったかのように佇んでいた。キャーギ(イヌマキ)、クロキ、椿、松なども同じく強いようだ。

ウギャスギー(モクタチバナ)、ウプバーギー(ハスノハギリ)、ギンネム、アカバナなどは、葉が全部落ち、細い枝は折れたりした。人の手のあまり入っていない山などは、ギンネムが多く、台風後は枯れ木の山のようであった。また、湾沿いにこのような木が多いと台風後はさえぎるものがなくなり、潮風が道路まで来やすくなる。湾沿いには特に台風に強い木の植樹が必要だと感じた。

松谷 初美(まつたに はつみ)
1960年生 下地高千穂出身
2001年より、宮古島方言マガジン「くまから・かまから」主宰
30年住んでいた東京から昨年Uターン。現在下地に住んでいる。
毎日が新鮮。宮古の魅力を再発見中。

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