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2016年01月12日

第65回 「保良村総代平良真牛生誕地之碑」

第65回 「保良村総代平良真牛生誕地之碑」

「人頭税にまつわるエトセトラ」シリーズも佳境の7回目となりました。今回、紹介するのは保良の総代を務めた平良真牛の生誕の地の石碑です。
記事を書くにあたり、改めて平良真牛について調べていて気づいたのですが、どうやら読みは「たいらまうし」ではなく、「ひららもうし」と読むらしいということでした(平良市史八巻資料編6考古・人物・補遺)。地名では平良と書いて「ひらら」と呼んでも、人名では「たいら」さんと読むのがお約束のようなものでしたので、「ひらら」さんだったことは少なからず衝撃でした。

第65回 「保良村総代平良真牛生誕地之碑」続いては石碑の写真なのですが、道路に対して設置方向が横を向いているのと、石碑を囲む木々が野放図に伸びていてることに加え、石碑は台座で嵩上げされて道路とほぼ同じ高さに据えられていますが、設置されている民地との高低差が大きくて、石碑を正面から撮影することがとても困難なため、このように斜めからの構図になってしまいました(数年前はまだかろうじて、台座が狭いので距離はとれないものの、石碑の正面に廻り込むことが出来たのですが…あまり、整備に力が入ってないのがちょっと残念でした)。

石碑の設置場所は保良集落の中にあります。かつては集落の中を縫うように指定されていた国道390線沿い(道路規格標準国道以下のいわゆる酷道に類するもの)でしたが、近年、幅員の広い新道を集落の西側(未指定時にも集落内を通らせない迂回路として、集落から西へ流出する国道と一体化して連絡する区間を拡幅して昇格)開通させたため、従来の国道指定区間だった集落内のルートは、指定から外れて格下げされいます。

備忘録的に旧国道の指定区間をメモしておくと、まず、この国道390号は日本最南端最西端の国道で、起点は集落のさらに東にある海宝館前(宮古島内の起点であり、正確には石垣市の離島桟橋前交差点)になります。尚、終点は平良港交差点(市役所の坂の下。正確な終点は那覇市通堂、旭橋駅前で58号線に接続します)です。
なので、起点側から紹介してゆくと、新国道区間とはストアーサン前で左にカーブし、緩い下り坂となって曲がりって行きますが、旧道はここで右に分岐して集落内へと進みます。かつては起点方向か真っ直ぐに集落内へ入って行く形状でしたが、新設分部のルート変更に合わせ、主従の道路形状を変更したため、旧道の残地が大きく残っています。
集落内に入るとストアーサンの前を少し過ぎたところで広場のような変形交差点で三方向に分岐しています。ここにはちょうど御嶽などもあるので、かつては人が集まる場所だったのではないかと、道の形状から推察しました。
道なり一番左のルートを選択して進みます。保良の集落は南に緩やかに傾斜した地形の上にあり、ちょうどこの旧国道を境に、左手の家々が一段低くなっています(一部に落下防止用のガードレールが設置されているあたりが、上級道路だった名残を辛うじて感じさせます)。
一本目の十字路を過ぎて二本目の十字路の手前、左手の民地の茂みの中に平良真牛の石碑があります(ガードレールもある)。石碑を過ぎた二本目の十字路を左折して西に進む下り坂を降りると、旧公民館脇にある保良のバス停が現れると、もう目の前は国道390号線と合流です
この保良の集落の道々も先週の東西の話に概ね準拠しており、島の方角と村建ての関係性はどこか強い結びつきがあるのではないかと、さらなる妄想を重ねたくなる事例です(研究している方がいらしたら、ぜひご教示して欲しいものです)。

なにげなく大幅に余談でページを費やしていますが、実のところ平良真牛についてはほとんど資料がなく、まったくといってよいほど詳しいことが判りませんでした。
真牛は1866(慶応2)年12月3日に保良村に生まれ、1892(明治25)年頃に保良の農民総代になったと云われています。請願行動で東京へ行ったあとの足跡はよく判っておらず、1943(昭和18)年3月18日に亡くなっています。

【関連記事~人頭税にまつわるエトセトラ】
第3回 「川満亀吉顕彰碑」
第59回 「人頭税石碑」
第60回 「人頭税廃止運動ゆかりの地 城間正安住居跡」
第61回 「人頭税廃止運動ゆかりの地 パチャガ崎」
第62回 「顕彰碑(城辺)」
第63回 「福里村総代西里蒲生誕地之碑」
第64回 「新城村総代上原戸那生誕地之碑」

【付録】
人頭税人物年表(登場人物の生没を中心に、一覧表にまとめてみました)

【余談】
日本最南端の国道を行く-Route 390- 前編後編完結編





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